まず最初に押さえておきたい、UXデザインの基礎4選!

UXデザイン

学習を進めるうえで基礎を抑えておくことはとても重要で、それはUXについて学習する場合であっても同様です。

しかし、いざ学習を始めるとなると何から学べばいいのか分からない方も多いのではないでしょうか?
私も学習を進める中で、以下のような悩みがありました。

  • UXについて調べているのに、UIの話ばかり出てくる
  • どんなキーワードで調べればいいか分からない

本記事ではUXデザインの基礎知識を紹介し、UXデザインについて学習する最初の一歩をお手伝いしたいと考えております。

UXデザインとは?

基礎知識について紹介する前に、まずUXデザインとは何か?について簡単に説明します。

UXデザインとは、「UX(ユーザーエクスペリエンス)」を「デザイン」することであり、ユーザーが製品によって得る体験のすべてを対象とし、その体験をポジティブになるように設計することです。

それでは、次項で基礎知識を紹介していきます。

基礎知識

1.UXデザインの言葉の定義

冒頭でUXデザインとは何かを説明しました。
UXデザインについて何となくは、理解できたかもしれません。

UXデザインについて学習するうえでは、もう一歩踏み込んで、言葉の定義を深掘りすることがとても有効です。

UXデザインは、「UX」と「デザイン」の二つの言葉に分けられます。それぞれは、どんな意味を持つのでしょうか。

「UX」の言葉の意味

UXとは、「ユーザエクスペリエンス」の略で製品やサービスから得られる、すべてのユーザー体験のことです。

例えば、以下はすべてUXに該当します。
・使用前に、広告やパッケージなどから製品を使った時のことを想像し、ワクワクする体験
・実際に製品を使ってみて、使いやすさに感動する体験
・使用後に、友人や家族におすすめする体験

このように「UX」は、製品やサービスの使用前から使用後に至るまで、製品やサービスによってユーザーが得る体験価値のすべてを指す言葉です。

デザインの言葉の意味

デザインという言葉は、一般的には単に見栄えを良くすることと捉えられてしまっています。

デザインを日本語に直訳すると設計となります。
しかし、UXデザインでデザインするのは「体験」ですから、その範囲は見栄えのみにとどまりません。

もちろん、見栄えから与えられる体験もたくさんありますが、握りやすさ、軽さ、安心感など見栄えとは違った観点から与えられる体験も多くあります。

見栄えに限らず、様々な要素でデザインすることが必要であり、UXデザインで言う「デザイン」とはそれらを内包した言葉であると言えます。

UXデザインという言葉は、イメージや思い込みによって、とても誤用されやすい言葉です。
言葉の定義からきちんとUXデザインを捉えておくことで、今後学習を進めていくうえでも、ブレない知識を身に着けていくことにつながります。

2.UXと良く混同される言葉

UXとは、先ほど説明したように「製品やサービスから得られる、ユーザー体験価値すべて」のことです。

UXデザインについて学んでいると、UXとよく似た言葉で混同されやすい言葉が出てきます。
それらを違いも含め正しく理解しておくことは重要で、学習する上では多少なりとも理解を深めておいた方が良い言葉であると考えます。

UI

皆さんも1度は、UI/UXという表記を見たことがあるのではないでしょうか?

UIとは、「ユーザーインターフェース」の略で、製品やサービスとユーザーとの接点(タッチポイント)のことです。

UI/UXとセットで表記されるようにUIとUXは非常に近い概念であり、UIはUXに内包されている概念であると言えます。
UIを良くすることでUXの向上につなげることができます。

UXとUIの違いについては以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひこちらも読んでみてください。

ユーザビリティ

ユーザビリティとは、製品やシステムなどの使いやすさを示す指標です。

ユーザビリティとUXの違いは、対象となる範囲が挙げられます。
ユーザビリティは、あくまでも製品・サービスの利用における効率性や効果性などが対象です。
UXでは製品・サービスの利用を通じてユーザーが得る体験のすべてを対象とします。

3.ギャレットの5段階モデル

こちらは、特定の思想なので基礎とするのはどうかと思ったのですが、UXデザインの流れはどの方法論でも大体共通していること、最も体系的で理解しやすい考え方であることから、早いうちに学んでおいた方が良いと思い、今回紹介させていただきます。

ギャレットの5段階モデルとは、2002年に著書「The Elements of User Experience」の中でJesse James Garrett によって提唱された考え方です。

UXデザインのプロセスを下図のように、5段階の階層に分けて捉え、各段階での作業内容と目標が明確に定義されています。

前の段階のアウトプットが次の段階のインプットとなるといった具合に各段階が結びついているため、5段階モデルに沿ってUXデザインを進めることで、ユーザーニーズを満たすためのプロセスを確実に遂行できるようになっています

ギャレットのUX5段階モデルは、UXデザインの現場では著名であり、UXデザインを実施するうえでの共通言語としても大きな役割を果たします

4.人間中心設計(Human Centered Design=HCD)

人間中心設計(Human Centered Design=HCD)は、「人間」の要求や欲求に合わせ製品を設計するための考え方であり、方法論です。

人間中心設計は、UXデザインの基となっている考え方で、主にユーザビリティにフォーカスした考え方です。

そのため、UXデザインの実際の現場でも人間中心設計の考え方が用いられることが多くあります。

もちろん、人間中心設計について学ぶだけでは、UXデザインの全体を把握することはできません。
それでも、人間中心設計について学ぶことは、UXデザインの考え方を背景から理解する上でとても役立ちます。

ちなみに、国際規格「ISO9241-210:2010(人間工学-インタラクティブシステムにおける人間中心設計)」によると、人間中心設計は次のように定義されています。

人間中心設計は、システムの使い方に焦点を当て、人間工学やユーザビリティの知識と技術を適用することにより、インタラクティブシステムをより使いやすくすることを目的とするシステムの設計と開発へのアプローチ

 

まとめ

本記事では、UXデザインを行う上で基礎となる知識について紹介しました。
紹介した4つはどれも、UXデザインにかかわっていく中で必ず触れることになるものです。

本記事では、それぞれの基礎知識のさわり程度しか紹介していませんが、どれもUXとは切り離せない重要な知識ばかりです。
UXについて学習する中で、これらの知識について深掘りしていくことがおすすめです。

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