UIデザインの勉強のため、「はじめてのUIデザイン 改訂版」という本を読んだのでレビューを投稿します。本書の最大の特徴は、Amazonで100円で購入できることです。
私自身、とにかく安いので、とりあえず読んでみても損はないだろうと思い、本書を購入しました。
本書は、特にデジタルプロダクトのUIデザインについて基本的な知識から実際のデザインの進め方に至るまで、全体像が解説されています。
本の中でも触れられていますが、1人でも多くの人に読んでもらいたいという思いから、100円という驚きの低価格にしているそうです。
内容も十分なボリュームで、これで100円とは驚きです。。。
本書は以下のような方におすすめです。
- UIデザインについての勉強をとにかく始めたい方(100円なので始めやすい!)
- UIデザインの初学者の方
- UIデザインの中でも特に、デジタルプロダクトへのアプローチを学びたい方
本の構成
この本は、以下のような構成になっています。
各章については、次項以降で紹介します。
1章 はじめに
1-1 なぜ今UIデザインなのか
1-2 この本で学べること
1-3 UIデザインは大切?
1-4 UIデザイナーは何をする人なのか
1-5 デジタルプロダクトにおけるUIデザインの変遷2章 UIの見える部分を学ぶ
2-1 コンポーネント
2-2 ビジュアル要素
2-3 アイコン3章 UIの見えない部分を学ぶ
3-1 UIデザインの前に
3-2 情報設計
3-3 この章の流れと成果物
3-4 ペルソナを動かすシナリオを作る
3-5 必要な要素を整理する
3-6 UIモデルを設計する
3-7 プロトタイピング4章 UIが機能する環境を学ぶ
4-1 スマートフォンアプリのデザイン
4-2 Webサービスのデザイン
4-3 タブレットやウォッチ、TVのアプリデザイン5章 UIデザインを作ってみよう
5-1 UIを作る(1)情報をUIに落とし込む
5-2 UIを作る(2)デザインツールについて知る
5-3 UIを作る(3)一貫性を意識する
5-4 UIを作る(4)具体的な制作プロセス
5-5 UIトレースで観察力を鍛える
5-6 UIデザインについて改めて考える6章 UIデザインができたら
6-1 体験をデザインする
6-2 開発者と連携する
6-3 運用を考える7章 UIをデザインする前の心得
7-1 サービスを作る
7-2 サービスコンセプトの検証
7-3 サービスロゴ制作の心得
7-4 これからUIデザインを始める方へ
1章 はじめに
この章では、この本で学べることは何か?や、UIデザインがなぜ重要なのか?UIデザイナーとはどんな仕事をするのか?ということについて説明があります。
本書を読み進めるにあたって、著者との共通認識を持つための章となっています。
特に、「1-4 UIデザイナーは何をする人なのか」では、UIデザイナーの役割や成長例についてリアルに記載されており、これからUIデザイナーを目指す方にとって、非常に興味深い内容となっています。
2章 UIの見える部分を学ぶ
この章では、UIデザインの基本的な知識として、コンポーネントやビジュアル要素といった部分について説明があります。
主要なコンポーネントが画像付きで説明されていて、「ああ、これのことね!」と理解しながら読み進められます。
また、それぞれの要素にかかわる押さえておくべきポイントも書かれており、何度も読んで身に着けたい内容となっています。
3章 UIの見えない部分を学ぶ
この章では、UIの裏側にある、何がユーザーにとってうれしいのか?を明らかにし、情報を設計するプロセスについて説明されています。
この章の内容は、UIデザインの仕事内容として一般的にイメージされる、画面デザインの前提となる部分であり、どういうデザインにするべきか?どちらがより良いか?と考える際の基準を定めます。
具体的な設定をもとに、Stepごとの成果物が提示されるので、「ここまで検討すればいいのか!」とイメージをつかみながら理解することができます。
具体例は、自身でStepを実践する際のお手本にすることができます。
4章 UIが機能する環境を学ぶ
この章では、UIデザインの注意点や考え方をiOSアプリ、アンドロイドアプリ、Webサービス、タブレット、スマートウォッチ、TVと様々なデバイスを想定して説明しています。
「UIデザインを実施するときは、そんなに細かいところにまで気を配っているのか」と驚くとともに、とても参考になりました。
今まで、何気なく使ってきたサービスにもユーザーにストレスを感じさせないための工夫がたくさん詰まっているのだと分かりました。
2章の内容と合わせて理解することで、日常で様々なサービスを見た時の見え方が変わるきっかけになりました。
5章 UIデザインを作ってみよう
この章では、実際のUIデザインの進め方について説明されています。
この章でも、3章と同様に具体的な設定をもとに、Stepごとの成果物が提示されるのでアウトプットとして何をどこまで求められているのか?ということが理解しやすいと感じました。
どのフェーズでも、情報がつながっている感覚をつかむことができ、プロダクトの現状と目的をしっかり理解して進めることが大切だということが改めて確認できました。
6章 UIデザインができたら
この章では、UIデザイン作成後のアクションについて説明があります。
ユーザーの体験をより良いものにするために、体験の設計をすること。
また、デザインや体験はリリース後も育てていくものなので、運用を考えた情報の整理や、デザインデータの整理が重要であることが説明されています。
重要な考え方として、「”完璧”を目指さない」と書かれており、柔軟なものづくりをするためにむしろ、気楽に動くものを作る姿勢が良いと説明があります。
私自身、「人に見せる前に”完璧”なものを作ろう」と考えてしまっていたことに気が付きハッとしました。
7章 UIをデザインする前の心得
この章では、UIデザインに実際に取り組むときの心構えが説明されています。
著者が実際に取り組んだ案件を題材に事例紹介があり、どういった課題があり、何を考え、どう対応したのか?その結果どうなったのか?と、説得力のある説明になっています。
「ユーザー体験を評価できるプロトタイプを作って、コンセプトが本当に刺さるのかを評価できる状態まで、最短で実現することを重要視しています。」という記述があり、ユーザーとのコミュニケーションの重要性と試行を繰り返す重要性を学ぶことができました。
まとめ
本書は、UIデザインのやり方について、基礎的な知識から実際の作業の進め方まで一連で解説されており、UIデザインについてイメージをつかむうえでとても良い本だと感じました。
本の中で、具体的な設定でUIデザインが形になっていくので、よりリアルにUIデザインを知ることができます。
また、前書きで、学べる事、学べないことが明確になっているので、事前にどんな姿勢で読めばいいか心構えができる点も良かったです。
残念なのは、誤字が多いところでしょうか。。。(そこは、100円なので目を瞑ります。)
UIデザインについて学ぶ第一歩としてとてもおすすめです。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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